お知らせ

2017-09-13 10:52:00
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 キシリトールは自然由来の甘味料で、ヒトでは「虫歯ができにくい」としてキシリトールガムの愛用者が多いのではないでしょうか。ところが、キシリトールガム一粒で犬が低血糖を起こし、意識低下や痙攣、昏睡を引き起こすことをご存じですか?

 

 ヒトおよび犬や猫では、血糖値は膵臓からのインシュリンの分泌によって調節されています。ヒトでは体内に取り込まれたキシリトールは膵臓からのインシュリン分泌を引き起こしません。しかし霊長類以外の動物(すなわち犬や猫)で強力なインシュリンの放出を引き起こし、キシリトール摂取後10〜30分で血糖値の低下(低血糖)が起こります。

 低血糖を起こすキシリトールの量はイヌの体重1㎏あたり0.1グラムと報告されています。コンビニで普通に見かける「キシリトールガム」は1箱に14粒入っていて9gのキシリトールが含まれています。ということは一粒あたりキシリトールが0.6g。つまり、5㎏のシーズーで1粒、10㎏の柴犬で2粒で中毒を起こす可能性があります。臨床的には他の食物を一緒に摂取した場合には低血糖の症状が現れない場合もあります。

 

 キシリトールによる中毒を起こさないために守ること

 ・キシリトールガムはイヌの届かないところに保管する

 ・キシリトール入りの食品をイヌに与えない

 

現在のところネコやその他の動物でのキシリトール中毒は報告されていないようですが、霊長類以外の動物はキシリトール中毒の危険性があることを知っておく必要があります。

 

 明らかに犬猫がキシリトールガムを食べた事がわかる場合は、速やかに獣医師にご相談ください。また、キシリトールガムを食べた可能性があって突然の意識低下や痙攣が見られた場合は速やかにご来院ください。