ホルモンの病気(内分泌疾患)

アジソン病(副腎皮質機能低下症)

 「虚弱でよく震える、お腹をこわすワンちゃん」

 

 腎臓のそばに「副腎」と呼ばれる、ホルモンを分泌する小さな器官があります。

 アジソン病(または副腎皮質機能低下症とも呼びます)は副腎から分泌されるステロイドホルモンが不足することによって起きる病気です。犬でしばしば発生し、猫ではまれな病気です。

 若年から壮年の犬で発生し、副腎ホルモンの不足により、食欲不振や下痢嘔吐などの消化器症状、低体温、ふるえ、痙攣、虚弱などの症状が現れます。

 多くの場合、副腎が徐々に萎縮していくので、ワンちゃんは好調・不調を繰り返しながら病気がゆっくりと進行します。ストレスが加わると体が副腎ホルモンを必要とする量が増えるので症状が現れやすくなります。

 臨床症状からアジソン病が疑われる場合、血液検査で診断を確定します。

 治療は不足しているホルモンを飲み薬で補いますが、生涯の投与が必要です。

 

 

犬のクッシング症候群

 「最近水を飲む量が異常に増えたワンちゃん」

 

 クッシング症候群は副腎からのステロイドホルモンが過剰に分泌される病気です。

 ステロイドホルモンは副腎から分泌される体にとって必要不可欠なホルモンですが、過剰に分泌されると障害をもたらします。多飲多尿(体重1㎏あたり100ccの飲水)や胴体に左右対称性の脱毛、腹部の膨満などの症状が見られます。

 診断は臨床症状、血液検査、尿検査等で行います。治療はステロイドホルモンの合成を阻害する飲み薬を投与します。

 

 

猫の甲状腺機能亢進症

 「食欲があるが痩せてきた老齢のネコちゃん」

 

 老齢の猫に多いホルモンの病気です。こちらをご覧ください